私の口から現れ出でてくださる仏さま 南無阿弥陀仏(2021法語カレンダー表紙)

私の口から現れ出でてくださる仏さま 南無阿弥陀仏

2021年の法語カレンダー表紙の言葉です。本当に口の中に阿弥陀様が住んでいるのでないことはわかっているとは思いますが、この言葉のお話をするときには本願力回向のお話になるのではないでしょうか。『「信心」というは すなわち本願力回向の信心なり』という有名な一文がありますが、まさに私達の信心というのは阿弥陀様からいただいた信心でありますし、その信心が形として現れるのが、私達の口から出てくる「南無阿弥陀仏」のお念仏ではないでしょうか。なかなか難しいことなのですが、私達が阿弥陀様に救われたいと願う、その気持ちを起こすのも阿弥陀様のお力なのです。例えば私達が誰かに相談に乗ってほしいときに「ねぇねぇ、ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど、、、」と最初に声をかけると思うのですが、その時の主体は相談をしたい私達なのでしょう。相談しようと声をかけて、相談相手が開口一番に「あなたが相談に来ることはわかっていたよ、すべて知っているのだから」と言われたらギョッと驚くでしょうが、それだけ普段から私達のことをいつも見てくれている人を相談相手に選んだのでしょう。でも「あなたが私を相談相手に選んだも私の仕業」と言われれば動揺するしかないでしょう。「私にはそれだけあなたと強固な信頼関係を築いてきた自信がある」と言われればビックリするかもしれませんが、最高の友人であることに間違いありません。そして、今回の法語ですが、阿弥陀様のことを思い、南無阿弥陀仏のお念仏が出てくるということも阿弥陀様のお力であって、阿弥陀様を頼りにしたいという気持ちを込めての南無とお唱えするのでしょう。

 

弥陀の大悲の誓願を

ふかく信ぜんひとはみな

ねてもさめてもへだてなく

南無阿弥陀仏をとなうべし

 

親鸞聖人もご和讃でこのように残されておりますが、阿弥陀様のお救いに気づいて、深く信じる人こそ南無阿弥陀仏のお念仏をお唱えすることが優しい優しい阿弥陀様への最高のお返事ではないでしょうか。

先程の友人の例えであれば「相談に乗るよ」と言ってくれた友人には何の遠慮もなく、信頼して相談することが何よりの恩返しになるのでしょう。

 

 

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