本当のものがわからないと 本当でないものを本当にする(2020年カレンダーの3月)

ハウスワインというお酒をご存知でしょうか。このハウスワインというのは産地など特定の種類を指しているものではありません。もともとはハウス、お家に来客があったときに最初に出す、我が家のお気に入りのワインというもので、今の日本ではお値打ちでそのお店のオススメのワインのことをハウスワインと呼びます。

ある会社の宴会でのお話ですが、このハウスワインを、ビニールハウスでハウス栽培のワインと勘違いして、「ハウス栽培のブドウのワインで作るからハウスワインって言うんだよ」と自慢している部長さんがいて、本当の意味を知っている部下は笑いを堪えるのが必死だったという話があります。簡単にいえば部長さんの知ったかぶりです。

ことわざですが「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」というのは一度は聞いたことがあると思います。わかりやすいことわざですが、ほとんどの人は一度くらい体験したことはあるのではないでしょうか。知っているふりをしてその場をしのいでも後に良いことはないし、知っているふりがその場でバレて恥を書くこともあるでしょう。

 

先程の部長さんのお話はただの笑い話ですが、もし何も知らずに部長さんの話を信じてしまう人がいたら、その人が一番可哀想な人ではないでしょうか。この人には何の罪もないのに、恥をかいてしまう知識を身に着けてしまうからです。

私達、真宗門徒の御本尊は阿弥陀様であることは、ほとんどの方は知っていると思います。お家のお仏壇を見ていただければ、御本尊には阿弥陀様の木像や絵像が安置されていると思います。また、床の間に、南無阿弥陀仏のお名号の軸を掲げている方もいると思います。よく、「お念仏のありがたみは、木像より絵像が、絵像よりお名号の方がよくわかる」と言われています。もちろんどれもありがたいものなのですが、国宝に指定されてる木像と言われると拝んでいるだけでありがたいと思ってします。そのような人が多いと思います。それに対してお家にある南無阿弥陀仏のお名号はただお念仏が書かれている掛け軸と思うかもしれません。

お念仏、つまり称名念仏なのですが、それは目の前にあるのが国宝だろうが無名のお軸でも本当は変わらないです。しかし、国宝であるといった肩書がついてしまうと、余計な思い、気持ちがそのお念仏に乗ってしまうのです。これは木像とお名号を比べても同じことが言えると思います。ついつい仏様の形を立体化した木像の方が余計な気持ちが乗りやすいことでしょう。なので、お名号の方がお念仏のありがたみがよく分かると言われる要因だと思います。

今月の法語は

本当のものがわからないと本当でないものを本当にする

という安田さんのお言葉ですが、お念仏の本当を知っていると、木像でも絵像でもお名号でもさらには御本尊がなくても、お念仏のありがたみを味わうことができると思います。

 

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